雑記以上考察未満9 意識とはなんぞや

最近の自分の研究は、意識をロボットに実装するとか、人工的な意識を作り出すとか、まぁ大体そんな感じのことをやってます。

 

じゃあ結局、意識とは何ですか?って話になるのですが、最近、ちょっと面白いことになってるみたいで。

ジュリオ・トノーニ氏の意識の統合情報理論[1]というものがあります。これは、意識を情報(ビットとかバイトとかのアレ)とみなして、脳全体が出力する情報量から、視覚処理、聴覚処理、言語処理なんかが個別に出力した情報量を差し引いたら、それは意識の情報じゃない?という理論らしいです[2]。

 

で、意識が発生するのは、視覚とか言語とかの情報処理が高度に統合されているからだというのですが、ここら辺はまだよくわかってないので割愛。

大事なのは、意識とか主観ってのは出力された情報の状態ですよ、ってことです。さらに、出力された情報について詳しく観測すると、クオリア[3]なんかも間接的に観測できるのではないかという結構凄まじい理論だったりします。

 

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青が青く見える時、情報の出力状態でそれが観測できるかも

 

 

つまり、魂とかフラクトライトとかなんか特別なものが格納されてるわけではなく、ある意味ソフトウェア的な代物なわけです。

 

この理論が正しいとすると(仮定の段階)、例えば、

自分の神経細胞を同じ機能を持った機械に置き換えたら?

なんてことをしても意識体験に何の変化も及ぼさないことになります。

 

これ、うまいこと言ったら脳の長寿命化もできちゃったりしそうなんです。

回路構造と出力の状態が保存できればそこに繋がってるのが神経細胞だろうがナノマシンだろうが関係ないのですから。

 

もちろん、そんな単純な話ではないでしょうし、越えなきゃいけないハードルはオリンポス山並みにあるでしょうが、不老不死?不老長寿?にちょっと近づいた感じですね。

 

そんな夢のような世界に想いを馳せつつ、研究を進めてるわけです。

 

 

 

[1]Integrated Information Theory: http://en.wikipedia.org/wiki/Integrated_information_theory

[2]クリストフ・コッホ著 土谷尚嗣,小畑史哉訳:意識をめぐる冒険;岩波書店(2014)

[3]クオリア: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A2

 

 

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