AAR関西弁

湊音「茜所長の喋り方って独特ですよね。伊奘冉語でもあまり聞かないというか……」
茜「うっ」
葵「バミちゃん、あれは成れの果てなんだよ。突っ込まないであげて」
湊音「あっ、ごめんなさい」
茜「あーいや、そこまでではないけども」
湊音「もしかして……青春でしたか?」
茜「ちゃうわ!」
葵「実はそうなんだ」
茜「話をややこしくすんな!」

六花「でも私も気になります。茜さんは前に関西弁だって言ってましたけど、関西の人ってそんな喋り方しないですよね」
茜「まぁ物事はそんな単純な話ではないんよ」
葵「複数の要因がある」
茜「まず、うちが生まれたんはもう600年前」
六花「おばあちゃん……」
茜「うるせぇわ」
葵「ババア」
茜「オメーもババアやろがい!」

茜「とにかく、まずウチのベースになってる関西弁は600年前や」
六花「なるほど」
茜「次にそもそもウチが関西に住んでたんはそのうち4年だけや」
六花「えっ短っ!」
茜「フレンドリーな感じが出るから使い出したんやけどな」
葵「その前に5年くらい岐阜に住んでたのもあるかな」
湊音「岐阜???関西???」
茜「バミちゃんはまず地理の勉強しよか」
葵「茜先生!」
茜「はいクソババア」
葵「なんだテメェ!」
茜「最初に言い出したんは葵やろがい」
葵「ふむ、それもそうか」
六花「え、いいんですかそれで」
葵「いいよ話逸れるし」
茜「お前……」
葵「バミちゃんの地理が弱いみたいな言い方はなくないですか?」
茜「ふむ」
葵「隣の腕の国の地名とか知らんでしょ」
茜「確かにな。プルマンとかカー・ダレーンとか言われてもピンとこんよな」
葵「えっどこ?」
茜「アメリカ」
葵「全然ピンとこねぇ」
茜「まぁ、それはウチが悪かった。バミちゃん東京はわかるか?」
湊音「六花先輩の国の首都ですよね」
葵「先生これは新鮮ですよ」
茜「当たり前が当たり前でないのはおもろいな」
六花「まぁ日本なんてパッとしない斜陽国家ですからね」
茜「これもすごいで葵ちゃん」
葵「あたしらの日本のイメージとぜんぜん違う」
茜・葵「オモロ~」
六花「で、岐阜と関西ですよね」
茜「ああ、せやな。ちょっと待って地図出すから」
葵「すぐ出る?」
茜「日本地図保存してある」
葵「いつの?」
茜「えーーっと、2051年」
葵「いや古っ!」
六花「古地図じゃないですか」
茜「まぁ大体の立地がわかればええやろ」

茜「ほい、これが550年くらい前の日本」
六花「すげえ」
湊音「へーー……」
茜「全然ピンと来とらへんやろ」
湊音「あっ、すみません。見慣れなさすぎて」
葵「( ˆ꒳ˆ )」
茜「その顔なんかムカつくな」
葵「いやなんでよ」
茜「マウント取ってそうな顔しとる」
葵「後方長老ヅラだよ」
茜「わかりづらっ!」
茜「んで、これが六花ちゃんの出身の小樽。で、ここが東京。今も首都やっけ?」
六花「はい。一応行政中心です。経済圏としては札幌のほうがでかいですけど」
茜「時代やねぇ。でこっから西にこれくらい。300キロくらいかな。行くと岐阜。ここに5年くらい」
湊音「へぇ」
茜「岐阜の方言がちょっと関西よりでな。そこで方言が軽く感染ってん」
六花「そういう理由ですか。岐阜が影響してたの」
茜「そそ。んでそっから大学が関西。この辺。この辺りが割と当時は方言強めの方でな。ここでの喋り方が感染ってもた」
六花「へー」
湊音「葵主任はそうでもないんですよね」
葵「んー?ああ、あたしの場合は岐阜からこっち行った。宇都宮」
六花「お二人の方言が違うのはそういうことっすか」
茜「せやで」
葵「で、まぁ日常生活の中で微妙に喋り方はアプデしてたんだけど」
茜「ウチのイントネーションを矯正するタイミング逃しただけやな」
湊音「だからそういう感じになったんですね」
茜「だから現代語と古関西弁のミックスやから完全に茜弁やね」

Posted by Goshawk